香りマーケティングを行った企業の事例・商品やサービスの理解や体験価値を上げるための手法
ここでは主に欧米の香りマーケティングを実践した企業の事例をご紹介しています。
店舗などの空間に香りを漂わせるといったアロマ空間デザインの事例だけでなく、商品・作品・サービス・コンテンツそのものの理解を助けや体験価値を上げる取り組みとして採用された香りマーケティングの事例も興味深いのでご参考ください。
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香りマーケティングを実践した企業の事例とその概要
一つお伝えしておきたいのが、「売り上げを上げるためのマーケティング戦略の中で、企業を象徴するブランドの香りが使われた事例」が多く、マーケティングとブランディングの境目がほとんどない事例もあるという注意点です。
以下で香りマーケティングと香りブランディングの違いをお伝えしていますので必要に応じて参考にされてください。
香りマーケティングを実践した企業の事例・自動車産業
車についてはレザーシートに合成された「新車の香り」が付けられる香りマーケティングがかなり古くからの慣行となっており目新しい取り組みというわけではありません。
しかし新車購入に「匂い」が重要な要素となっている点は興味深いものです。
消費調査会社Archetype Discovery Worldwide の創設者であり世界経済フォーラムに登壇するクロテール・ラパイユも、「新車購入の際、匂いはプライマリーな決定打にはならないがかなり重要」と発言しているとか。
消費調査会社Archetype Discovery Worldwide の創設者であり世界経済フォーラムに登壇するクロテール・ラパイユも、「新車購入の際、匂いはプライマリーな決定打にはならないがかなり重要」と発言しているとか。
キャデラック
cadillacjapan.com
キャデラックではブランドが衰退した10年の間車所有者に対して香りのテストを行った末、Nuanceという名のブランドを象徴する香りが作成されました。
Nuanceはレザーシートにスプレーされ、「新車を購入した時の満足感や高揚感」を引き立たせるといった香りマーケティング戦略が行われています。
ロールスロイス
1990年半ばロールスロイス社ではなぜか新車についてのクレームが多くなりはじめ、その問題が匂いにあることがわかります。
彼らは1965年当初販売した人気車シルバークラウドに立ち返り、この車に匂い付けした香りが再分析されました
現在その当時の昔ながらのクラシックな香りでシートに匂い付けしてマーケティング戦略の一環としているそうです。
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香りマーケティングを実践した企業の事例・エンターテイメント編
エンターテイメントにおいて香りマーケティングが果たせる役割は作品や体験・映画など映像やストーリーの内容にふさわしい香りをマーケティングとして活用すれば、それらの理解を助けや体験価値を向上させるために大いに役立つ、といった点にあります。
ディズニー
disneyparks.disney.go.com
ウオルトディズニーはサイエンスフィクション作家のブラッドベリーの大ファンでした。
1980年代のはじめころ、ウオルトディズニーはブラッドベリーにフラッグシップアトラクションであるスペースシップアースのプロットを依頼します。
スペースシップアースアトラクションのローマ遺跡のエリアでは、アレクサンドリア図書館の火事のシーンで「燃える匂い」が演出兼香りマーケティングとして採用されました。
Smellitzerと呼ばれる匂いの噴射機を活用してアトラクションのシーンを効果的に演出したのです。
Smellitzerと呼ばれる匂いの噴射機を活用してアトラクションのシーンを効果的に演出したのです。
スペースシップアースでのアレクサンドリア図書館の火事を再現したエリア wdwnt.com
これをきっかけにディズニーではパイレーツオブカリビアン、タワーオブテラー、プーさんの冒険、ホーンテッドマンションといったアトラクションで次々に香りマーケティング・演出が活用されるようになったと言います。
ブラッドベリーはスペースシップアースのプロットにより摂氏451(書籍の所有を禁じ、禁書を焼き払うというディストピア小説)を着想したとか。
※ディズニーのスペースシップアースは古代から現代までをライド(乗り物)にのって巡るアトラクション。また、アレクサンドリア図書館の消失のきっかけは紀元前48年ユリウスカエサルが偶然に放った火と言われています。
ウォルト・ディズニー・ワールドのアニマル・キングダム バグズライフではカメムシの登場と同時に不快なにおいが出るようになっているとか・・・凝った香りマーケティングですよね。
以下の関連コンテンツもよかったら参考にされてみてくださいね。
映画館
映画のシーンとふさわしい香りを組み合わせた取り組みは古くから行われています。ここでは初期の香りマーケティングの事例をご紹介しましょう。
シアターでの香りマーケティング事例
- 1916年ぺンシルバニア州フォレストシティの映画館でローズボールゲームについての映画を放映している際にコットンにローズオイルをつけてファンで香りを漂わせる
- 1929年ブロードウエイの劇場で客席の上から香りのスプレーが噴霧される
- 1939年ニューヨーク万博博物館で sent o vision(のちのsmell-o-vision)と名付けられた香りの噴霧装置が展示される
- 1959年映画Behide the great wallで劇場の空調を活用して香りを漂わせる
2006年にはNTTコミュニケーションがコリンファレル出演の映画「ニューワールド」の香りマーケティングを手掛けました。
この香りの噴霧システムは「コリンファレルの感情とインターネット接続の香り装置が連動して客席に香りがふわっと香る」といった仕組みになっていたようです。
ニューワールドでの感情と香りの連動の具体例
- ロマンティックなシーン:花
- 感傷的なシーン:ミント
- 愉快なシーン:シトラス
- 激情:ユーカリ
ntt.com
上の香り噴霧装置概要を見ると、一般的な家庭用アロマディフューザーとPCやケーブルが接続されているかなりシンプルな作りだったことがわかります。
オーディオDVD
- チャーリーとチョコレート工場:チョコレートの香りをDVDのパッケージに添付、劇場でも演出
- スパイダーマン:ビッグアップルの香りをDVDパッケージに添付
香りマーケティングを実践した企業の事例・外資系ホテル
ホテルでは「ホテルゲストの脳裏ににブランドの香りを刷り込む」というブランディングの効果を発揮しやすいです。
特にラグジュアリ感と香り演出のマッチング度は極めて高く、また旅の途上での休息の時間を彩る演出として「極上」なのは、想像するだけで「そうだよね」と思えます。
特にラグジュアリ感と香り演出のマッチング度は極めて高く、また旅の途上での休息の時間を彩る演出として「極上」なのは、想像するだけで「そうだよね」と思えます。
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ウエスティン
Westin Osaka
ウエスティンホテル&リゾートチェーン(旧スターウッド)は2006年「そう感じるもの・This is how it should feel」と名付けられた多感覚体験マーケティング広告戦略を打ち出します。
このマーケティング戦略のベースとなったのはウエスティンホテルを象徴するブランドの香りホワイトティです。ホテルに入った瞬間にゲストを歓迎するためのウエルカムインセンスとして位置づけられました。
このマーケティング戦略のベースとなったのはウエスティンホテルを象徴するブランドの香りホワイトティです。ホテルに入った瞬間にゲストを歓迎するためのウエルカムインセンスとして位置づけられました。
当時のCEO Steven J Heyerは「ホワイトティの香りはブランディング、そして顧客の心と体と魂を回復するために不可欠」と語ったとか。
私はショップで販売されているホワイトティの香り付けがされた石鹸、リードディフューザーなどがお気に入りです。
旧スターウッドチェーンの他の3つのホテルもウエスティンに続いただけでなく、外資系ではヒルトン、フォーシーズンス、インターコンチネンタル、ハイアットといったホテルで香りマーケティング(ロビーでのアロマ空間デザイン)が行われています。
マンダリンオリエンタル
マンダリンオリエンタルホテルでは人と人が出会う瞬間を効果的に彩る「Meeting scense」を作成しました。
ホテルのロビーでのブランディングを行うだけでなく、有料で客室でもマンダリンオリエンタルの香りを楽しめるようになっています。
マンダリンオリエンタル東京ではスパ・エステエリアでも「東洋が感じられる香り演出」が行われていました。
他外資系ホテル・シェラトンとリッツカールトン
シェラトンホテルではブランドイメージの香りとして高級で爽快感が印象的なオープンスカイという名の香りが、そしてリッツカールトンでは高級ショコラのイメージの香りが館内に漂っています。
香りマーケティングを実践した企業の事例・空港
シンガポール空港
シンガポール空港では1990年後半にエキゾチックな印象のブランドイメージの香りが作成されました。
シンガポール空港のフライトアテンダントが身に着ける香りとして、そしてフライト中に利用するおしぼりに付ける香りとして作成されています。
ANA
ana.co.jp
2010年4月ANAではマーケティング戦略の一環として「旅のワクワク感をイメージする香り・Inspiration Japan」という名の香りが作成されました。
これは古来からなじみ深い香木にローズマリーなどのシャープな香りがブレンドされ、旅へのわくわく感が掻き立てられるようななんとも素敵な香りでしたよ。
ANAのマーケティングは以下のように行われているようです。
- 搭乗前のラウンジ
- おしぼり
- 機内のハンドソープ
- 就寝後に提供されるアロマカード
ロンドンヒースロー空港・ブリティッシュエアライン
ロンドンのヒースロー空港では、到着後の独特なストレスに配慮し、搭乗客にパインニードルの香りを提供したと言います。搭乗客からのリアクションはかなり良いとか。
ブリティッシュエアラインではビジネスクラスのラウンジで、さわやかな海風の香りを活用しています。
香りマーケティングを実践した企業の事例・横断的な活用
FedEX:香りのブランディングとマーケティングが横断的に行われた事例
FedEXは日本のヤマト運輸のような物流に欠くことのできない企業で、以下のような巧みな香りマーケティングとブランディングを行った取組で知られています。
NFL(national football league)の試合がクライマックスになった瞬間、映像にFedEXのロゴを映し出し、ブランドを象徴する香りが試合会場で焚かれる。
ラッセルブラムフィールドは「試合でハイになった瞬間の記憶があとあとFedEXのブランドイメージの香りと強力に結びつく」と言っています。
さらにFedEXはのちに配送用のパッケージに「香り分子を含んだシール」を添付し、顧客が開封と同時にFedEXの香りを嗅ぐようなあざやかな取り組みを行いました。
彼らの狙いは「お目当ての品を開封するわくわくした瞬間の記憶がFedEXの香りと強固に結びつく」といったところになるでしょう。
FedEX kinkosの店舗でも一時シグニチャーセンスが焚かれていたとか。
香りマーケティングを活用する可能性
五感のうち嗅覚以外の感覚は「何の感覚刺激なのか?」が識別された後に感情が起こるようになっています。
五感のうち嗅覚だけが情動をつかさどる脳のエリアをダイレクトに刺激、そのかかわりは強固なので、香りマーケティングの導入はビジネス上で大きな可能性を秘めているのです。
また香りを嗅ぐと長期記憶の脳のエリアを刺激することもわかっており、心地よい体験がブランドを象徴する香りと強固に結びつき、店内の滞在やリピートなどに影響します。
また香りを嗅ぐと長期記憶の脳のエリアを刺激することもわかっており、心地よい体験がブランドを象徴する香りと強固に結びつき、店内の滞在やリピートなどに影響します。
香りの影響力について知れば知るほど、香りマーケティングをビジネスに応用する可能性が広がっていきますね。
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