クリニックの待ち時間対策・医師がなくてはならないと考える有効対策は?
病院外来での待ち時間対策について効果的と考えられているものを「プラス要素編」と「マイナス要素を打ち消す院内システムアップデート編」に分けてご紹介しています。
病院外来での待ち時間対策は極論何に重きを置くか?だと思います。それに応じて患者さんも病院を選ぶことを検討するはずですので、一つ一つじっくり検証していきましょう。
執筆:薬学をベースとした化学療法のスペシャリストJAMHA有資格者・調香師・アロマ空間デザイナー 雨宮悠天
素敵なアロマを漂わせると待合室のの待ち時間対策として最適です!
病院外来での待ち時間対策・プラス要素編
病院クリニックの待ち時間対策・「あったらいいな」と思えるような付加価値を提供するプラス要素編を4つ+α ご紹介します。
- ライブラリスペースの設置
- 座り心地が快適な椅子
- ストレスフリーな音楽
- WIFI環境整備
上の4つはよく使われている待ち時間対策で、究極はなくても成り立ちますが、時流やポイントがありますのでじっくりご覧ください。この4つ目の後に以下をご紹介しますのでご参考頂ければと思います。
プラス要因にもなり、ストレスを軽減マイナス要因を打ち消す
クリニックのためのアロマ空間デザイン
@雑誌・新聞・マンガ・絵本などライブラリスペースを設置
雑誌・新聞・マンガ・子供向けの絵本などを充実させて待ち時間対策をするのは鉄板中の鉄板と言えましょう。
特に都心・横浜・名古屋・阪神・福岡の病院クリニックに来院する患者様は、それらの質も重視する傾向があります。
雑誌の場合は質重視で以下のようなラインナップが好まれるのではないでしょうか。
- ビジネスマン:経済誌・ビジネス誌など
- 女性:Very・Oggi・VOGUEなど極上を好む女性が読む月刊誌
- 漫画好き向け:鬼滅の刃・キングダム・後宮の烏・地獄楽など100万部超の人気作品
月刊誌マンガなどは「したたかに病院クリニックを選んでもらう理由」にするのがおすすめです。選んでもらうためでしたら上のラインナップが端的な人気取りにはなりませんし、第一選んでもらわないと始まるものも始まりません。
本に触れることが感染になりうるため、コロナでは撤去されていた病院も少なくなかったと思いますが、今後は比較的ゆるやかに利用が高まるかもしれませんよね。
A座り心地が快適な椅子
後述の通り病院での待ち時間が30分を超えると約20%の人が不満を感じるものですので、こんな時に座り心地がよい椅子で待っていたら、いくらかストレスは軽減されるかもしれません。
ストレスも身体の違和感や居心地の悪さからくるものも当然ありますので、ストレス軽減措置として有効と考えられます。
また、おすすめのポイントは椅子と椅子の空間をかなり多めに空けることです。
Bストレスフリーな音楽
クラシックやジャズなどのBGMが流れているクリニックは多いです。
注目度が高いのが科学的にリラックス効果が高いと実証されたモーツアルトの曲でしょう。
モーツアルトの曲は人の生体リズムと調和しやすい1/fゆらぎが多く、脳や心が説きほぐれリラックスしやすいと言われているのです。
※科学的な効果は高くても、モーツアルトの曲は病院クリニックでかなり昔から使われいるので、差別化などの意味では色が付けにくいかもしれません。
CWIFI環境の整備
現在国内で携帯電話の所持率は87%と言われており、ちょっとした待ち時間で気になるコンテンツを見たり、時にはイヤホン持参で動画を見る人もいます。
87%という圧倒的な所持率を逆手に取れば、「WIFI環境整備」は患者さんの好きな時間を好きに使ってもらえる状況を後押しするものです。
ただ、WIFIの接続に不慣れで「どうすればいいのかわからない」といったケースもあると思いますので、パスワード不要のフリーWIFIなどが利用しやすいのではないでしょうか。
ほかプラス要素としてコーヒーやお茶など、飲み物を提供してほしいといった待ち時間対策もニーズがあるとか。
これについては必然的に飲み物を入れるカップが必要になり、廃棄されたカップであっても口に触れていることから感染などのリスクが伴いますので、ややポストコロナ後の運用は現実的に難しいのかもしれません
プラス要素にもなりかつマイナス要因を打ち消す待ち時間対策・クリニックのアロマ空間デザイン
ご存知の院長先生ももちろんいらっしゃるかと思いますが、国内ではレクサスが先駆けて「『らしさ』を打ち出したアロマ」を店舗に漂わせを顧客を向かい入れるウエルカムインセンスにしました。今では香りの空間演出がはクリニックでも日常的に行われるようになっています。
アロマを原液で噴霧する業務用のアロマディフューザーを使い、オートタイマーで稼働させてほぼ手間なしで運用、これはアロマ空間デザインと呼ばれています。
癒しやリラックスの代名詞と言われるようなアロマ、ヨーロッパでは医薬品扱いされるほどの確かな力があります。
クリニックにアロマを導入すると、「プラス要素にもなりマイナス要素を打ち消す待ち時間対策」になるのです。
アロマ空間デザインをクリニックに導入すると得られるメリット
それではアロマ空間デザインをクリニックに導入するとえられるメリット3つをご紹介します。
- 作業効率向上
- 待ち時間のイライラ軽減・ストレスフリーに
- 患者様からの印象がよくなる
@待ち時間のイライラ軽減・ストレスフリーに
エッセンシャルオイルが嗅覚にキャッチされると、0.05秒でその情報が大脳辺縁系に伝わり、のちにリラックスモードの副交感神経にも作用します。
特に大脳辺縁系には感情や情動をつかさどる偏桃体が存在しており、ここにアロマが働きかけて癒しが起こっているといわれるのです。
病院クリニックの待合室で手放しで運用できるアロマ空間デザインは、ほのかに漂い静粛性も高いので、病気で気分がふさぎがちな患者様もストレスフリーになるのです。
Aスタッフ様の作業効率も質も向上
後述します通り、待ち時間に不満のない患者さんは高評価をつけやすく、それに伴うかのようにスタッフ様の作業効率も質も高くなる傾向があります。
アロマ空間デザインは、上述のとおり患者様だけでなく、スタッフ様も同様にストレスフリーにするのです。
患者さんが病院クリニックで待ち時間にイライラすることなく快適に過ごすのであれば、当然スタッフ様も本来不要なクレーム処理に回る必要もなく、作業に集中することができるというのは自然なこと。
病院クリニックの評価・業務効率・業務の質そのものはリンクしやすい、という実感を持つ院長先生は少なくないのではないでしょうか。
B女性特有のイライラを減らす
「女性の職場」ともいえる病院クリニック、女性特有のイライラがギスギスした職場環境にしがちです。
ヒステリーは女性に多いと言われますよね。ストレスフルな環境で我慢も限界に達しメンタル的に不安定から爆発に至るとヒステリーっぽくなるわけですから、情動やリラックスモードに働きかけるアロマを活用すれば効果も実感しやすいのです。
スタッフ様だけでなく患者さんにもそうした傾向があるのは言わずもがなところはあります。
クリニックにアロマ空間デザインを導入するとは『香りという陰の立役者』が、クリニックの空間そのものや雰囲気を牛耳ってコンディションを整えることにほかなりません。
ただクリニックの空間にほのかにただようだけ、嫌みもなく待ち時間でイライラする人を癒し、診療時間が終わればオートタイマーがオフになって翌日また診療開始と同時に稼働する、オートマティックなのに「大きな影響を与える調整役」だと言えます。
アロマ空間デザイン導入後の感想・導入するにはどうすればいいか
アロマ空間デザインをクリニックに導入するとどうなるか? まずは以下導入後に良さを実感された院長先生たちのご感想をご参考にされてみください。
アロマ空間デザインをクリニックで導入する流れ
アロマ空間デザインをクリニックに導入する流れは以下の通りとなっています。
弊社の対応地域は、宮城近郊・東京・埼玉・神奈川・名古屋・阪神・広島・福岡です。
ストレスフリーな香りをお届けするために、自然豊かな場で香りを制作していますが、オフィスから空港まで25分の地の利を生かして上の地域はDoor to Doorの感覚でお伺いしております♪
お問い合わせは下記よりお気軽にどうぞ。
病院クリニックでの待ち時間対策・マイナス要因を打ち消す院内システムアップデート編
病院クリニックでの待ち時間対策として、院内のシステムを変更したりアップデートしたりする方法は大きく分けて4つです。
目的 | システムの通称と概要 |
---|---|
時間帯予約 | @時間帯予約システム(時間帯を指定して枠内で順番ごとに受診) |
順番待ち予約 | A順番予約受付システム(予約した順に番号が付与され、順に受診) |
順番待ち | B発券機・番号札(院内で発券) |
電子カルテ | C電子カルテ |
@時間帯予約システム
出典:medical-reserve.co.jp
「時間帯の予約」がラインの友達追加で気軽に使えるようになるシステムもあるようです。
例えば患者さんの予約の流れが以下のような感じだったら、気軽に試してもらいやすいですよね。
- ラインで友達追加をする
- 下部リッチメニューから予約をタップ
- 時間帯予約して予約完了
- 予約時間が近くなったらラインでお知らせ通知が届く
- 来院して番号モニター(サイネージ)で自分の順番を確認
患者さん側は予約のためにアプリをインストールする必要がなく、「ラインの友達追加」で済むのでおすすめもしやすそうです。
お見積りで必要な機能をチョイスすることもできるとか。サブスク(月額課金)といった形がとられており月額6000円程度のランニングコストから導入できるようです。
A順番待ち受付システム
出典:WEB受付システムで人気のpark-sc.paa.jp
WEB受付システムは厳密にいうと予約システムには分類されなようですが、待合室の混雑解消には役立つといわれてます。
順番待ち受付システムの導入は無料でできるケースもあり、病院側の実質的コスト負担は少なくて済むようです。
患者さんが順番待ち受付システムを利用するときの流れは以下の通り。
- 病院のホームページに張り付けられたWEB受付システムのQRコードにアクセスする
- 受付をした順に番号が付与される
- 待ち時間は好きな場所で好きなことをして過ごす
- スマホで予約番号を打ち込んで病院の待ち具合をチェックし、番号が近くなったら病院へ行く
と言っても、こうした便利な順番待ち受付システムを導入しているクリニックに、以下のような根本的な問題を指摘する患者さんもいたりして、「厳しいなあ」という印象を持つ先生もいらっしゃるのではないでしょうか。
ネットで予約を入れたとしても順番待ちがわかるにとどまる。「時間を指定して予約を確定するシステム」ではないし、番号を付与されてから来院までの時間待つことには変わらない。
ほか有料の順番待ち受付システムでは、以下のように予約方法のバリエーションが選べるタイプもあります。
- 院内予約(スタッフ様による直接入力)
- 自動音声電話予約
- インンターネット予約
- 院内でのタッチパネル予約
自動音声は高齢者層の使い勝手とクリニックの作業効率の両立が実現できそうです。
予約システムでは「発熱の有無などをWEB上で簡易診断」したり、診察券のバーコード化によって非接触を推奨する機能など、ポストコロナに配慮された充実した機能もあります。
B発券機や番号札
出典:i-and-c.jp
発券機は銀行でもよく用いられている待ち時間対策で、上述の順番待ち受付システム同様待ち時間があとどのくらいか目安がつくタイプのイライラ軽減対策として重宝されているようです。
患者さんの順番待ちの流れは以下の通りとなっています。
- 受付で患者さんが診察券を出して発券機で番号札を出し、一枚は患者さんに、もう一枚はカルテにはさむ
- 受付スタッフ様が小型端末で操作や状況確認
- 受付で小型端末による番号表示
- 発券された番号でスマホから順番がわかる(外出しても順番が確認できる)
- 待合室に大きなスクリーンで番号表示をしつつ、健康情報などの表示
i-and-c.jpの場合
とはいえディスプレイ・発券機・端末などを完備する必要があり初期費用はそれなりにするようなので、病院独自に番号札を作成するといったケースもあるとか。
C電子カルテの導入によりアナログな作業自体を減らす
最後に挙げる院内システム変更編待ち時間対策は、電子カルテの導入でアナログな作業を減らしながら作業効率を高め、患者さんの待ち時間を減らすといった方法です。
令和二年の調べによると、病院とクリニックいずれも電子カルテの導入率は5割程度になっている状況で、すべての病院クリニックが導入に至っているわけではないようです。
- 20床以上のベッドがある病院:57.2%
- 診療所(クリニック):49.9
イニシャルコストだけでも200万以上、5年に一度程度はサーバーのアップデートを要するため、ネックに感じる場合も少なくないとか。
一方で無料の電子カルテも存在すると言われているものの、どこまで使えるかは極論院長先生の判断次第といった感じがします。
ほかにはクリニックの体制見直しで混雑を解消して待ち時間対策をするやり方も挙げられます。
診療時間拡充は院長先生の時間的拘束が長くなること、スタッフの勤務時間は働き方革命の時流に逆行するかもしれず、病院個々の運営を話し合いによって揉む必要がありそうです。
病院での待ち時間の実態
外来での待ち時間は病院での不満の1位にランクインする要因となりうるため、決して放置していい問題とも言えません。
株式会社medinet
令和2年厚生労働省の受療行動調査によると、病院での待ち時間は以下のような状況となっています。
- 15分以内:28%
- 15〜30分以内:26%
- 30〜60分以内:21%
- 60〜90分以内:10%
- 90〜120分以内:6.4%
どのくらいの待ち時間で患者さんは不満と感じる?
待ち時間にも、「受付から診察まで」と「診察から会計まで」の2つがありますのでそれぞれを見ていきたいと思います。
株式会社medinet
はじめに受付から診察までの待ち時間については30分を超えると約20%の人が不満を感じるようになっています。
株式会社medinet
診察が終わって会計に進むまでの待ち時間については、@の受付から診察までの待ち時間と比べると前倒しになっているのがわかります。
「これは診察が終わったら早くお会計を済ませたいという心理」でしょうか。
今は電子カルテを導入するクリニックが増えて会計時間もかなり短縮している影響もあると考えられ、時間感覚はタイトになっているのかもしれません。
※株式会社medinet調べの有効回答者数はn4861
病院の待ち時間対策をすると生まれるメリット
病院クリニックでの待ち時間対策をご紹介する前に病院の待ち時間対策をすると生まれる具体的なメリットを3つ挙げていますので参考にされてみてください。
- 評価・効率・クオリティの向上
- リピート来院を逃さない
- 長い目で見ると経費が浮く
評価・効率・クオリティの向上
待ち時間対策をすると、病院の評価・業務効率・業務の質そのものが向上することが多いようです。
逆に言うと、待ち時間対策を放置すると以下のような負のスパイラルに陥りかねません。。避けたいですよね。。
- 評価:グーグルの口コミに待ち時間が長いと書き込みされる
- 業務効率:イライラしだす患者さんに対し本来不要な対応時間に追われる
- 業務の質:業務効率が下がり、スタッフが凹んでモチベーションが下がる
リピート来院を逃さない
「病院での不満の第一位は待ち時間」と上述しましたように、待ち時間が長いとストレスに感じるものです。
待ち時間対策をすると、患者さんは「病院の乗り換え」など考えもしないでしょう。すると、リピートでの来院は格段に上がります。
もっとも、お子さんのお迎えをしなければいけないお母さんや、仕事の合間を縫って来院するビジネスマンなど、「自分では時間を完全にコントロールできないパターン」も大いにあるはずなので、こういったパターンに配慮することも検討する余地はありそうです。
長い目で見ると経費が浮く
待ち時間対策そのものに着手すると、長期的な目で見て経費が浮くという考えもできるでしょう。
お問い合わせは下記でお気軽にどうぞ!